鼻の症状
鼻出血(鼻血)
症状
鼻からの出血。
鼻出血は、静脈か動脈の血管が損傷して起こります。
その損傷は外傷的にも起こることがありますが、突然に起こるものもあります。
鼻の入り口付近の粘膜からの出血が最も多いです。
しかし、吹くような動脈性の出血と奥からの出血は止血が困難です。
鼻出血を認めたら、ご家庭では座った状態で、しっかり鼻をつまんで下さい。
のどに流れて来る血液は飲まないで吐き出して下さい。
これでも止血しない時は緊急性がある鼻出血です。
治療
出血点がはっきりしている場合には、お薬か電気的に凝固止血します。
出血点がはっきりしない時は、出血側の鼻内に軟膏を付けたガーゼをしっかり挿入して圧迫止血します。
これにても出血を繰り返す場合には適切な病院を紹介します。
副鼻腔炎
症状
慢性的な鼻水・鼻づまり。
鼻水がのどに流れる。
副鼻腔という顔の骨の内にある空洞に炎症が起こっている状態です。
どろっとした(膿性の)鼻汁が出て、それがのどにも流れてきます。
鼻づまりを伴うことも多いです。
頭痛や頭が重く感じることもあります。
急性のものと慢性のものに分けられます。
慢性のものをよく蓄膿症と言います。
急性の場合は顔面の痛みや歯ぐきの痛みを伴います。
慢性の場合には鼻茸という鼻内の粘膜が異常にふくらんで垂れ下がったものが出現し強い鼻づまりを引き起こす場合があります。
治療
診断には、鼻汁の性質や鼻内所見およびレントゲン写真が重要です。
急性のものは鼻にスプレーしたり鼻汁を吸引する局所治療とネブライザー治療という霧状にした薬液を鼻から吸っていただく治療や抗生剤などお薬の内服を行ないます。
これにより早期に改善することが多いですが、
鼻茸を認めるような慢性のものには同様の治療をを行うとともに、マクロライド系の抗生物質を少量長期の内服をしていただき、副鼻腔内の粘膜の改善を行ないます。
数ヶ月にわたる治療が基本となりますが、鼻内の状態や治療経過に悪化傾向がある場合には適切な病院での手術治療を考慮していきます。
アレルギー性鼻炎・花粉症
症状
くしゃみ。慢性的な鼻水・鼻づまり。目やのどのかゆみ。
くしゃみ、水溶性の鼻水および鼻づまりが主症状です。
また随伴症状として目やのどのかゆみも認めることがあります。
家のホコリやダニにより1年中アレルギー症状が出現する通年性アレルギーと、春のスギ、初夏のイネ科や秋のキク科などの花粉が原因となり、季節性を持ってアレルギー症状が出現する花粉症があります。
治療
まず経過と鼻内所見による診断と鼻汁による検査を行い、アレルギーの程度を診断して、その後必要に応じて血液検査による原因の検索を行ないます。
治療は保存的治療を中心に行ない、各種内服薬をその症状に合わせて選択していきます。
その際、眠気などの副作用も考慮します。
鼻づまりが強い時には鼻内に噴霧する点鼻薬を併用します。
その他、目のかゆみには目薬を処方します。
それらで安定しましたら、お薬は都合に合わせた期間処方します。
妊娠中は少なくとも後期に入るまでは、アレルギー剤は内服できないので、
鼻の処置や点鼻薬、あるいは漢方薬を処方します。